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東出昌大さんがカイユボットの「床の鉋削り」をオススメ!

突然ですが、皆さんNHKの朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」 見ていますか?

私は毎日見ています^o^ノ


なぜ、そんな話を突然するのかといいますと、
ヒロイン杏ちゃんの相手役「西門悠太郎」さんを演じている東出昌大さんが
このたび新国立美術館で開かれる『オルセー美術館展 印象派の誕生−描くことの自由−』のナビゲーターに就任し、その就任会見の中で、なんとカイユボットの「床の鉋削り」をイチオシとしてあげてくださったんですって!

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東出昌大「美術展はひとりで」オルセー美術館展のナビゲーターに就任!
– Woman Insight | 雑誌の枠を超えたモデル・ファッション情報発信サイト http://www.womaninsight.jp/archives/56491 @womaninsightlabさんから


このニュースについていくつか検索してみたのですが、
以前仕事で行ったときに(カイユボットの)『床を削る人々』を生で見ましたが、もう一度見たい。(略)」と語った。とのことです。

私の中の悠太郎株が300倍にアップしました。
この部分、もっと詳しくニュースになればいいのに(▼皿▼)!!!




そのオルセー美術館展にはもちろんこの作品が来日しますよ!
(2014/7/9〜10/20、巡回なし)


床の鉋かけ


絵画鑑賞好きさんに限らず、
ごちそうさんファンの方も、東出さんファンの方もみなさんにカイユボットの作品をみてほしいな!

そしてこれからはカイユボットのことを好きな有名人を聞かれたときには
「東出昌大さんです」と一も二もなく答えようと思います。


カイユボット・ファミリーについてより詳しく知りたい方(フランス語)

フランスの方が、拙サイトのためにカイユボットに関するPDFを送って下さいました。

特にカイユボット家の歴史、異母兄アルフレッド、弟マルシャル、甥ジャン、姪ジュヌヴィエーヴ、切手収集に関して詳しいので、(これまで公になっていないこともあるそうです!)
ご興味がある方は是非ご一読下さい。

La Dynastie Caillebotte
de Domfront à Paris
d’Antoine Marie Pierre, grand-père de Gustave, à Jean et Geneviève, ses neveu et nièce

(PDF)

残念ながらフランス語版のみです。

私もカイユボット自身には興味はあるけど、家族の歴史はそこまででもないので、
ざーっと翻訳サイトにかけてしか読んでいないのですが((‐ω‐。*)
もしご要望があるようでしたら特定のセクションだけでも翻訳します。
どうぞコメント下さい。



パリ市のアーカイブにアクセスして色々お調べになったそうで、頭が下がります。

img_20130930_093546.jpg
国立高等鉱業学校の卒業碑。
1911年のところにJ. CAILLEBOTTEの記載。

photo_entenue.jpg
第一次世界大戦時に飛行隊に入隊していた甥のジャン


私は日本語しか書けませんが、フランスからの訪問もいつでもBienvenuです!
TOPページなどの右上からもPDFにアクセスできますので、
フランス語圏の方にぱっと見て分かってもらえる!・・・といいのですが。

フランス・イエールでの展覧会のお知らせ(2014年4月5日-7月20日)

さて、2013年も残すところ後1ヶ月を切りました。
ブリヂストン美術館のカイユボット展も12/29迄ですよ!
今年の汚れ、今年のうちに。
今年までの展覧会も忘れずに出かけて下さいね!

しかしどう頑張っても、どう頑張っても今年の展覧会にはいけない(>皿<)!
と涙を飲んでいるあなたに朗報です。
来年2014年はフランス・イエールでカイユボットの回顧展が開催されます!

イエールはカイユボット家の別荘のあった土地で、
カイユボットの作品にしばしば登場しているところです。
現在その邸宅は当時に近い形に復元され一般公開されているので、
「カイユボットの描いた風景を、彼の過ごしたその場所でみることができる」
というなんとも素晴らしい体験ができますよ!

基本イエールを描いた作品が出展されますので
ブリヂストン美術館で展示されていたパリの街並みと対比してみるのも面白そう。

ここにパンフレットを掲載しますので、今回カイユボットに深く興味を抱いた方、画家のゆかりの地を訪ね歩くのが好きな方、パリ郊外にちょっと寄ってみたい方、これを機会に是非足をお運び下さい!!
画像がイマイチなので、下にテキストを書き出してあります。

※2014年はサンフランシスコでも開催されるとの噂。アメリカなら行けるという方は心とお金の準備を。





回顧展
ギュスターヴ・カイユボットによる
印象派の傑作40点が、その着想の源である
イェールを再び訪れます。

2014年4月5日-7月20日



「釣り」1878年-油彩・カンヴァス 157×113cm 個人蔵
「イェール川畔、水浴する人々」1878年-油彩・カンヴァス 157×113cm 個人蔵
「イェール川のペリソワール」1878年-油彩・カンヴァス 157×113cm レンヌ美術館蔵


回顧展
《イェールにおけるカイユボット:印象主義の時代によせて》
没後120年を経てギュスターヴ・カイユボットの作品約40点が、それらが描かれたイェールの彼の旧邸内において、一般公開されます。
この回顧展は、展示作品のほとんどが未発表あるいはごく稀にしか展示されたことがないがゆえに、印象派展として貴重な機会でもあります。
世界各地の有名美術館が今回の展覧会に出展協力することを決定しています。かくしてワシントン・ナショナル・ギャラリー、ミルウォーキー美術館、ブルーミントン・インディアナ大学美術館、レンヌ美術館、そしてパリのオルセー美術館、マルモッタン・モネ美術館が所蔵する絵画が、画家自身の家族や個人コレクターらから貸与された絵画と併せて、展示される予定です。





「飛び込み台の男」1877年-水彩 69×88.5cm アジャン美術館蔵、オルセー美術館委託
「イェール川のペリソワール」1877年-油彩・カンヴァス 89×115cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵
「邸内の庭」1875年-油彩・カンヴァス 65×92cm 個人蔵
「シルクハットをかぶったボート漕ぎ」1878年頃-油彩・カンヴァス 90×117cm 個人蔵



印象派の揺りかご、プロプリエテ・カイユボットを知る
この典型的な19世紀の邸宅は11ヘクタールの敷地を有し、《英国風の》不規則なレイアウトによって区画整備されました。父親がこの邸宅を1860年に入手したことで、ギュスターヴは夏の休暇をこの地で過ごし(1860-1879年)、庭園の木々をはじめとする植生や、曲がりくねった小道にとりわけ関心を示しました。
彼が描いた絵画作品の中に今日でも認められる、数々の着想の息吹が、邸宅の庭園にはあります。
避暑地の寛いだ雰囲気、あるいは川での様々な楽しみが、ここでは大きな位置を占めています。庭園のそこかしこを散歩すれば、若き日の画家の創作の息吹を与えた場所とその雰囲気を、発見することができます。

当邸はフランス文化省による歴史的建造物の保管リストに登録され、《著名な文化人の家》の称号を得ています。

カザン
外郭
キオスク、その地下に氷室
オランジュリー

プロプリエテ・カイユボットを訪ねる
パリから20km弱に位置するこの美しい庭園は、朝9時より毎日、一般開放されています。

庭園への入場は無料。
団体での訪問は予約制。
+33 (0)1 80 37 20 61

カイユボット菜園は一般公開されています。
お問い合わせ:
http://potagercaillebotte.free.fr

ボートまたはカヌーでの遊覧

お食事
レストラン-ティ-サロン
ル・シャレ・デュ・パルク-フィリップ・ドゥトルブ
フルコース-朝食
ランチ-ディナー-各種パーティ-料理教室
営業 火曜-日曜
9:00-22:30
www.chaletduparc.fr
tel.+33 (0)1 69 06 86 29

カイユボットのお土産
邸内で販売されるグッズにて、プロプリエテ・カイユボット訪問のお持ち帰りできます。
——————————————————————————-
Propriété Caillebotte
8, rue de Concy 91330 Yerres (Paris) FRANCE

パリからの簡単なアクセス
●パリGare de Lyon、Chateletより近郊線RER D線で約20分、Yerres駅下車。
●パリ、ポルト・ドゥ・ベルシーよりお車で約30分

アクセス地図はwww.yerres.frにて。
その他のお問い合わせは+33 (0)1 80 37 20 61
——————————————————————————-

さて、、実は「行ってきましたシリーズ」まだイエール編に突入していないのよね・・・
今年中に完結目指してがんばります!!

行ってきました(11)|アルジャントゥイユ橋
行ってきました(10)|アルジャントゥイユ
行ってきました(9)|兄弟で暮らしたオスマン大通りの家
行ってきました(8)|カイユボットのアトリエ&モネの家
行ってきました(7)|カイユボット家の貸しビル その2
行ってきました(6)|カイユボット家の貸しビル その1
行ってきました(5)|パリの通り、雨
行ってきました(4)|ヨーロッパ橋
行ってきました(3)|モンソー公園
行ってきました(2)|青年時代の家
行ってきました(1)|カイユボットの生まれたところ


うちの冷蔵庫がステキなことになりました♪

ついに!!!
念願の!!!
カイユボット展に行ってきました〜〜!
(二度目の)

展覧会の感想だったり、カイユボット自身について思うことだったり、
いろいろあるのですが、それはまた自分の中でゆっくり消化していこうと思います。

今日はうちの冷蔵庫がステキなことになりましたので、そのお知らせです!

カイユボット作品マグネットが増えて、
全部で6枚になりました!

このうち
「ヨーロッパ橋」
「カヌー(イエール川のペリソワール)」
「ピアノを弾く若い男」
「ハウスペインター」
をブリヂストン美術館で購入して参りました。

皆様もブリヂストン美術館へお越しの際はちょっとした思い出に是非ぜひどうぞ(゚ー^*)



左上から

ヨーロッパ橋



パリの通り、雨
※これはお土産でいただいたものです。ブリヂストン美術館で取扱いがありません。


バルコニー、オスマン大通り
※これはフランスで買ってきたものです。ブリヂストン美術館で取扱いがありません。


カヌー(イエール川のペリソワール)



ピアノを弾く若い男



ハウスペインター(建物のペンキ塗り)

カイユボット展「ヨーロッパ橋にて」みてきたよ

ブリヂストン美術館でのカイユボット展、開催中ですね!!!!!

初めは土曜講座にあわせて会期の後半にいくつもりだったのですが、
なんと「ヨーロッパ橋にて」が期間限定展示されるとの情報が!
この作品は私の中では「カイユボット展に来ていたら個人的に嬉しい「10点」※」の中のひとつなので、
是が非でも、黒が白でも行かなくては!!
これだけを目当てにとんぼ返りで行って参りました。

※ちなみにこの10点、打率は4割でしたねぇ。ちょっと残念。


今回の展覧会にはカイユボットの代表作のひとつである「ヨーロッパ橋」も来ているのですが、
この「ヨーロッパ橋」と「ヨーロッパ橋にて」が壁のコーナーに直角に展示されていて、
ふたつの作品に囲まれながらこれらを同時に鑑賞することができるのです。



ヨーロッパ橋を巡る遠景と近景の写真を並べてみているようでした。
ある日の橋はこんな風で、ある日の橋はこんな風景だったのかなぁと思いをはせることができます。

「ヨーロッパ橋にて」は想像していたよりも色味がグレーで、丁寧ながらぽってりとした筆致が印象的でした。
(もっと写実的な絵筆だと思っていたので少し意外。これについてはまた今度エントリしよう。)
そして鉄橋のつくる直線、斜線、扇形、三角形、楕円。


・・・なんてちょっと詩的に語ってみました(*´ェ`*)


トリミングと鉄橋のつくる形も大胆だと思ったのですが、
この”ほとんど灰色”という画面も大胆だなぁと感じました。
そんな中で山高帽の男の水色のジャケットがよいアクセントになっていました。



帰り際にはこんな風にみえます。
e

シルクハットの男性と同じポーズでこの作品を眺めたらいいんじゃないかな!?

「ヨーロッパ橋にて」は11/10(今週末!)までの限定公開ですよ。
いっそげーーーー!

いつでも行けるけど、そのうち。と思っている方がいたら、日曜までにいくべきだと強くオススメします。

カイユボット展がいよいよ目前に!!

こんにちは(^-^)/

ブリヂストン美術館での「都市の印象派、日本初の回顧展 カイユボット展」の開催がいよいよ間近に迫り浮き足立っている私です!
(2013/10/10〜12/29)

先日カイユボット展を目前に、BS朝日の「世界の名画 〜美の迷宮への旅〜」で
もうひとりの印象派 カイユボット」が放送されていたので
それを元に今一度カイユボットについてまとめてみようと思います!

今回の放送は今までの「パトロンとしてのカイユボット」よりも
「画家としてのカイユボット」をフューチャーしていてくれて
カイユボットが評価される時代がきたナ!とひしひしと感じました!!



〜モノローグ〜



カイユボットの代表作のひとつ、「床の鉋かけ(1875)」
※カイユボット展には出展されません。

反り返った床を削って新しくする職人たち。
窓から入る光が床に反射して顔は見えないものの、
細部まで描きこまれたその作品からは
床を削る音や、男達の息遣いまで聴こえてきそうです。

マネ、モネ、ルノワールといった印象派メンバーと共に制作を活動し、
さらに印象派展の開催にも尽力したカイユボットは
このような素晴らしい作品を残しながら
なぜ画家としての正当な評価をされず、忘れ去られてしまったのでしょう?


〜裕福な家庭〜
カイユボットは1848年、裕福な家庭の下に生まれました。
法律を勉強していましたが方向転換し、画家を目指して国立美術学校(エコール・デ・ボザール)に通います。

しかし彼はアカデミーの古典的な主題や技法に満足できませんでした。
彼が描きたかったのは「現実の世界」だったのです。


「ピアノを弾く若い男(1876)」

カイユボット家の邸宅で、弟のマルシャルをモデルに描かれた作品です。
マルシャルは音楽家でもあり、ピアノは上流階級のたしなみでもありました。

ここでカイユボットはレースのカーテンを通して入る光、
ピアノの黒い硬質な面や鍵盤に反射する光を巧みに捉えています。
またレースやピアノ、布のなどの質感にカイユボットの技術力が伺えます。

またその独特の空間構成もカイユボットの特徴のひとつです。

独特の空間ってどういうこと?と思った方は是非ブリヂストン美術館に出掛けて実際の作品を見てみて下さい。
こればっかりは小さい画像をみていてもわかりません!

ピアノを弾く若い男についてはこちら »



「昼食(1876)」

こちらも同様に邸宅のダイニングで母親と弟のルネをモデルに描いた作品です。

豪華な内装、給仕やクリスタルの食器からカイユボット家の豊かさがわかります。
手前の席が空席になっているのがお分かりでしょうか。
ここは画家が座るべき席であり、また鑑賞者が座る席でもあります。

家族を描いた作品でありながら、顔は薄暗く目も合わさずに食事をしています。
カイユボットはパリという都会の中でこうした「孤独な空気感」をキャンバスに描きとっていったのです。



「室内、窓辺の女性(1880)」


〜パリの大改造〜
ここまで読んで「印象派って戸外で明るくて柔らかい感じで描いた人々でしょ?室内をこんな硬いタッチで描いたカイユボットがなぜ印象派なの?」と思った方もいらっしゃるでしょう。

もちろんカーテン越しに入る光や、その反射を丁寧に描いた画家でもありますが、
最近それとは少し違う方向から印象派を評価する向きがあるようなのです。




「パリの通り、雨(1877)」
※カイユボット展には出展されません。習作は出展されます。

この頃のパリはオスマン知事のもと、大改造が行われた時期でもありました。
道は舗装され、建物の高さや屋根の色などの基準ができ、街に統一感があらわれました。
また鉄道などの交通が発達したのもこの頃です。
今私たちがパリ、と聞いて想像する街並みはこの時代に完成されたものでした。

こういった「変貌するパリを描いた」という点から印象派を見てみるのです。

カイユボットは変貌するパリとその時代の空気を描いた画家といえるでしょう。
そうするとカイユボットこそ印象派の超重要人物になってきますから、面白いですね。


こうしている間にもカイユボットは他の印象派画家たちを経済的に支え、
また印象派展の開催に奔走していました。
カイユボットの印象派支援 »
カイユボットの印象派展出展作品 »

〜カイユボットとカメラ〜
1879年、カイユボットはオスマン大通りに引越しをし、
そこからの眺めを多く描きました。


「上から眺めた大通り(1880)」

カイユボットは絵画にこのような極端な俯瞰を取り入れたはじめての画家だと言われています。
そしてカイユボットの作品にこの頃普及したカメラの影響があったことに間違いはないでしょう。

音楽家だったマルシャルは、写真家でもありました。
ブリヂストン美術館の展覧会にもマルシャルの撮影した写真が展示されますので
こちらもお見逃しなく!


カイユボットの作品には広角レンズで覗いたかのような拡がり、大胆なフレーミング、
またどこか客観的に見える作品の雰囲気もカメラを覗いてみた風景と通じるものがあります。

さて、ここでひとつ勘違いしていただきたくないのは
カイユボットは写真を参考にして作品を描いたでしょうが、
写真そのものをそのままキャンバスに描き取るようなことはしなかった、ということです。

つまりカイユボット自身がカメラのフレームのような視点を持っていたのではないでしょうか。

実に現代的な視点といえます。


「ヨーロッパ橋にて(c.1876-77)」
※この作品は期間限定展示となります。


〜隠居生活〜
1882年からはパリを離れ、郊外のプティ=ジャンヌヴィリエの居を移します。
そこでカイユボットは園芸やボートレースに熱中しました。

彼の作品にも植物やボート、付近の風景を描いたものが多くなっていきます。



「「アルジャントゥイユに続く支流、陽光(1882)」


また硬く緻密だった筆致もかつての印象派のような絵の具をキャンバスに置くようなものに変わっていきます。
逆にこの時期の他の印象派はこのような描き方はしなくなっていきました。

さらにカイユボットは、プティ=ジャンヌヴィリエの議員も務めるようになり
作品を描く時間が少なくなっていったようです。


そして1894年、庭仕事中に倒れ、帰らぬ人となります。
45歳、20年余りの短い画家活動でした。



「自画像(c.1889)」


〜カイユボットの夢〜
カイユボットは遺書を残していました。
それは自身が集めてきた印象派の作品の数々を国立の美術館に寄贈したい、という内容でした。

当時はまだ印象派の絵画は世間にはあまり認められていなかったため、 アカデミーやサロン派の画家だけでなく 一般の人々も反対するなどその受け入れをめぐって論争が起こりました。
このカイユボット事件と呼ばれる騒動は数年に渡って続いた末、
すべての作品ではないものの、多くの印象派の作品が国に受け入れられることになりました。

印象派の絵画が散り散りにならず、 パリのオルセー美術館で現在まとめてみることができるのは 彼の功績によるところが大きいと言えるでしょう。

カイユボットの夢は遺書通り、とはいきませんでしたが
印象派の人気や、オルセー美術館に多く足を運ぶ人の多さを知ればきっと喜ぶでしょう。

印象派を支え続けた先見の明や、現在では傑作と呼ばれる作品を買い集めた「目」は全く素晴らしいものだと言わざるを得ません。

〜画家としてのカイユボット〜
オルセー美術館には印象派の作品が多く所蔵されていますが、
残念ながらカイユボット自身の作品は多くありません。

カイユボット自身が画家として今まで忘れ去られていたのにはいくつか理由があります。

・裕福だったが故に作品を売る必要がなかった
・またそのため現在も個人で作品を所有していたり行方がわからないものが多く評価の機会が少ない
・早くに亡くなったため活動期間が短かかった
・画家としてよりも印象派を支えたパトロンとして評価されてしまった

などなど。


ですから印象派展にも出展されたカイユボットの作品「ピアノを弾く若い男」が
ブリヂストン美術館に常設されているなんて、それはそれはすごいことなんですよ!

さらにそんなカイユボットの回顧展(2013/12/29迄)が日本で開催されるなんて…胸熱!!


今回のカイユボット展は
今までカイユボットを知らなかった方にその魅力を知ってもらう、
また名前くらいしか知らなかったという方には画家として改めて認識してもらう、
知っていたよという方には再評価をしてもらう
よい機会となるでしょう。


そしてこれを機に日本語のカイユボットに関する本がたくさん出版されたらうれしいナ(*^o^*)

また前にも書きましたが、こうしたサムネイルでは全然気がつかないけれども、実際に見てみたら新しい発見が色々あるような良い作品が来ていたらいいな!


それでは皆様、会場でお会いしましょう!
À bientôt!(またね)

カイユボット展早割チケット

さて、10月10日よりブリヂストン美術館で開催される「カイユボット展 都市の印象派 日本初の回顧展」の早割ペアチケットが絶賛発売中でございます
販売終了しました。次は前売りを是非どうぞ。

—————————-
【期間限定】9/9まで

・誰かを誘って行かれる方
・一人で複数回行きたい方
・友達とシェアしてお得に行きたい方

—————————-


どーんと買われると良いと思います!
私も先日購入いたしました。


「オンライン販売のみになります」と公式サイトに書いてありますが、
それはネット販売のみという意味ではありません。
コンビニの券売機で購入可能です!!
もちろんクレジットカードではなくても大丈夫。
ネット販売のみかと二の足を踏んでいた方は、どうぞご安心を。


私が買ったのはセブン・イレブンのセブンチケットですが、
ローソンのロッピーでも同じような流れだと思います。

/////////////////////////
1)セブン・イレブンにて「マルチコピー機」の前へ
  ↓
2)タッチパネルを操作し、チケット〜イベント・アート・サーカス〜首都圏と進んでいき
  「カイユボット展-都市の印象派 10/10〜12/29」のページへ
  または【セブンコード】025-178
  ↓
3)早割ペアを必要な枚数分入力
  ↓
4)内容を確認し、OKで進んでいくと、紙が一枚印刷される
  ↓
5)印刷された紙を持ってレジへ行く
  ↓
6)店員さんの指示に従って署名などを行う
  ↓
7)代金2000円×枚数分支払う。
  発券手数料は不要です。
  ↓
8)店員さんからチケットをもらう。
/////////////////////////

ものの5分とかかりませんよ!

当日券2名様分(3,000円)と比べると、1,000円お得なペア券です。
迷っている方は、買っちゃえばいいと思います!
で、行けばいいと思います!!!

カイユボット展特設サイトと展示作品紹介

10月10日よりブリヂストン美術館で開催される「カイユボット展 都市の印象派 日本初の回顧展」の特設サイトもできましたね!

カイユボット展の情報の他、生い立ち、作品についてなどがわかりやすくのっています。
最新情報による「学芸員のブログ」、「写真家Mのカイユボット展ブログ」も随時更新中だそうですので、是非チェックしてみて下さいね★
特にカイユボットの作品は写真の視点抜きでは語れませんから、写真家さんから見たカイユボットについてのお話は大いに楽しみです。



そしてこのサイトの色味。嬉しいですね!
カイユボット特有の青みがかった紫色!!
こんな感じの。


室内、窓辺の女性

それに個人的にはこのCaillebotteというフォントと見切れ具合も好きです♪



以下、この特設サイトに掲載されている作品(展示予定作品)のご紹介です。
(順不同)

ヨーロッパ橋



麦わら帽子をかぶった自画像(夏帽子の自画像)



ハウスペインター(建物のペンキ塗り)



カヌー(イエール川のペリソワール)



昼食



ピアノを弾く若い男



マルシャル=カイユボット夫人の肖像



シルクハットのボートこぎ(シルクハットをかぶったボート漕ぎ)



読書するウジェーヌ=ドーフレヌ(読書するウジェーヌ・ドーフレンヌの肖像)



室内、窓辺の女性



室内、読む女性



自画像



ピアノレッスン



パリの通り、雨 (習作)



パリの通り、雨のデッサン



ジャンヌヴィリエの平原、黄色の丘



静物: 鶏と狩猟の獲物(静物、鶏肉と吊されたジビエ)



—–
以下、9/15追加

ヨーロッパ橋 (別バージョン)
↑この作品は2013年10月10日〜11月10日までの1ヶ月限定での展示となります。


イタリア大通り



ペピニエール通りの兵舎



上から眺めた大通り



アルジャントゥイユに続くセーヌ支流、陽光

—–

わぁお!
でもこのページで見たからって、作品を見た気になってもらっちゃ困るぜ!
本物は、やっぱり楽しみです(v´∀`)ハ(´∀`v)ヤッタネ☆

サザビーズの「イエールの谷」訳

サザビーズのモンソー公園の訳に続いて「イエールの谷」を翻訳したでござる。

なるほど大胆な風景画だったんですね。
それで印象派展にだしたのかな。
これがその当時どのくらい大胆だったかなんて現代の我々にはわからないのは残念だなぁ。

サザビーズの元ページはこちら >>




【由来】
パリ、アーネスト=メイ。1879年に購入、1921年まで所有。
パリ、アンドレ=モーリス。1955年頃購入。
パリ、デュルオ・リシュリューの「近代絵画」にて個人に売却(1991年4月15日)。ロットナンバー28。

落札予想価格:$1,000,000 – $1,500,000 (9千5百万円〜1億4千万円)
販売価格:$1,142,500(1億1千万円)
※日本円は参考です。売却当時のレートとは異なります。

〜中略(展示展覧会、文献)〜

【作品について】
1860年、カイユボットの父親はパリの南東にある緑豊かな渓谷イエールの土地を購入した。
若いカイユボットはその地所の周りの19世紀初頭風の公園や向こうに広がる丘々をすぐに気に入った。
イエールの風景はプティ=ジャンヌヴィリエの庭と共に画家の作品の中によく描かれるようになる。
カイユボットは「イエールの谷」の中で、谷のパターン化された風景を描くためにパステルを重ねた。
この画家の初期の風景画によく見られるように地平線を高い位置に持ってきて、大胆で近代的な表現をすることで19世紀末の風景画にありがちな表現を避けている。

ピエール・ウィットマーはカイユボットにおけるイエールの重要性をこのように述べている。
「イエール川はその地理と名景によって、モネにとってのエプトやセザンヌにとってのサント・ヴィクトワールと同じくらいカイユボットにとって重要な場所であった。画家は自分の世界の現実性を自分のニーズに合わせている。ギュスターヴ・カイユボットは自分の過ごした土地に新しく、オリジナリティがあり、そして全く個人的な側面を与えたのだ。田舎の生活はその永続的に繰り返され、そして常に過ぎゆく日々や四季のリズムを感じさせる自然を思い起こさせる。 (P. Wittmer, op. cit., p. 28).」

「イエールの谷」は1879年の第4回印象派展に出展されました。開催場所はオペラ通り28番地で、カイユボット、ドガ、モネ、ピサロといった独創性に富んだ作品が出された。カイユボットは第4回印象派展の組織の重要な役割を担っていた。


【Provenance】
Ernest May, Paris (acquired by 1879 and until 1921)
André Maurice, Paris (acquired circa 1955)
Sale: Drouot Richelieu, Paris, Tableaux modernes, April 15, 1991, lot 28
Private Collection (acquired at the above sale)

【Exhibited】
Paris, La 4e Exposition de peinture, 1879, no. 28
Paris, Salon d’Automne, Caillebotte: Exposition retrospective, 1921, no. 2743

【Literature】
Marie Berhaut, Gustave Caillebotte, Paris, 1951, no. 81 (as dating from 1878)
Marie Berhaut, Caillebotte, sa vie et son oeuvre: Catalogue raisonné des peintures et pastels, Paris, 1978, no. 99, illustrated p. 116
Sophie Monneret, Impressionnisme et son époque, vol. III, Paris, 1980, listed p. 151
Pierre Wittmer, Caillebotte and His Garden at Yerres, New York, 1991, listed p. 308
Marie Berhaut, Gustave Caillebotte: Catalogue raisonné des peintures et pastels, Paris, 1994, no. 92, illustrated p. 107
Eric Darragon, Caillebotte, Paris, 1994, illustrated pp. 16-17
Ruth Berson, ed., The New Painting. Impressionism, 1874-1886: Documentation, vol. 2, San Francisco, 1996, no. IV-28, illustrated p. 125
Gustave Caillebotte: The Unknown Impressionist (exhibition catalogue), London, Royal Academy of Arts, listed p. 210
Pierre Sanchez, Dictionnaire du Salon d’Automne: répertoire des exposants et liste des oeuvres presentées, 1903-1945, vol 1, Dijon, 2006, listed p. 271

【Catalogue Note】
In 1860, Caillebotte’s father acquired a property in Yerres, a verdant river valley southeast of Paris. The young Caillebotte was instantly taken with the early nineteenth century gardens around the estate and the expanse of rolling hills that extended beyond. The landscape at Yerres, along with the gardens at Petit Gennevilliers, would figure prominently in the artist’s oeuvre. In La Vallée de l’Yerres, Caillebotte layers rich pastels to convey the patterned landscape of the valley. With a high horizon line, characteristic of many of the artist’s early landscapes, Caillebotte eschews the common expectations of landscape painting at the end of the nineteenth century with a boldly modern gesture.
Pierre Wittmer writes of the significance which Yerres held for Caillebotte, “The Yerres river – thanks to its location and scenic attraction… – was as important to Gustave Caillebotte as the Epte was to Claude Monet or Mont Saint-Victoire was to Paul Cézanne. The artist adapts the reality of his world to his needs. Gustave Caillebotte gave the sites in which he lived a new and original and wholly personal dimension. His rendering of rural life evokes its perennial and cyclic nature, always leaving us with a sense of the rhythm of passing days and seasons” (P. Wittmer, op. cit., p. 28).
La Vallée de l’Yerres was included in the fourth group exhibition which the Impressionists mounted in 1879. The exhibition took place at 28 avenue de l’Opera and included seminal works by Caillebotte, Degas, Monet and Pissarro. Caillebotte himself assumed an important role in organizing this fourth Impressionist group exhibition.

(quoted from Sotheby’s)

行ってきました(11)|アルジャントゥイユ橋

アルジャントゥイユについたらLe Stade、Argenteuilどちらで下車しても
目指すのはカイユボットが描きました「アルジャントゥイユ橋」です!



アルジャントゥイユ橋とセーヌ川

Argenteuil駅からのが近いかな。徒歩で行くことができます。

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そこから見える眺めはこんな。



カイユボットのセーヌ川の作品を思い出します。



ブゾン橋をのぞむセーヌ川
※ブゾン橋はもう少し西側にあります。

橋の端にはモネの「アルジャントゥイユのひなげし」の案内板がありますよー。
この辺にこんな風にひなげしが咲いている場所があったんですね〜。
(カイユボットの作品じゃないのかよッと心の中でつっこむ)





ただ現在のアルジャントゥイユは、工業地帯であり景色のキレイな観光地という訳ではありません。
残念(>_< )
そしてアルジャントゥイユ橋も20世紀になって作り直されたものです。
印象派ファンならではの観光地ですね。

2013-03-07 足跡 Comment

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