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アメリカ人に再発見されたカイユボット

‘Caillebotte wiki’ で検索すると、
フランス語版のwikipediaよりも英語版のwikipediaの方が上位に上がってくるのです。
(フランス語圏の方々はどうか分かりませんが)

それぞれ開いてみると確かに英語版の方がフランスごと版より充実しているのです。
本家本元のフランス語版がなぜ・・・?
と思ったら、wikipediaの中にその答えの一端が。

Le talent de Caillebotte fut longtemps méconnu – sauf aux États unis -, au profit de son rôle de “mécène éclairé”. Le peintre fut redécouvert dans les années 1970, à l’initiative des collectionneurs américains.
カイユボットは長い間「見識のあるパトロン」だと思われていたので、画家として評価されていませんでした。
アメリカをのぞいて。
1970年代にイニシアチブを取ったアメリカ人コレクター達によってカイユボットは再発見されたのです。


ふーむ、自分たちアメリカ人(そのほか英語圏の方はおいておいて)が
再発見した画家だから英語版の方が充実しているのでしょうか。

アメリカ人受けする画家なのかしら?
アメリカにもたくさん作品が渡っているしね。
違う国の人達の方がその芸術性を評価するというのはある話です。


さて、その英語wikiの中に
「大英博物館にカイユボットが収集した切手が所蔵されている」との情報が!
大英博物館で切手になど注目したことはありませんでした。

ちょっとフロア番号までは分からなかったのですが
ロンドンに行く機会があったら是非チェックしてみて下さい!

カイユボットの師、レオン=ボナ

レオン=ボナ(Leon-Joseph-Florentin Bonnat,1833-1922)は当時非常に有名な画家で、
アトリエを構えて多くの生徒が彼に師事していました。
ムンクやデュフィー、ブラック、日本人では五姓田義松なども彼のアトリエに通っていました。

カイユボットがボナのアトリエに通い始めたのは1870年、22歳の頃だといわれています。
また25歳の頃「ボナの弟子枠」(ボナの推薦状?)でエコール=デ=ボザールに合格をしています。

レオン=ボナのジェロームやカバネル(というよりはブーグローかな?)にも似たサロン風のしっかりとした構図の絵やその顔立ちは
確かにカイユボットの印象派展期の画風の中にも見て取れるような気がするのですがいかがでしょうか?

みなさんも、どこかの美術館でレオン=ボナの絵画を見かけたら、
カイユボットが彼から受けた影響を感じ取ってみてください。

レオン=ボナ(Leon-Joseph-Florentin Bonnat)|メアリー=シアーズ(後のフランシス=ショー夫人)|1878|ボストン、Museum of Fine Arts


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