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ブリヂストン美術館がカイユボットの《イエールの平原》を新所蔵&展示
2015-02-21ランダム表示
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ウォール・ストリート・ジャーナルの4/15の記事に
カイユボットの『パリの通り、雨』についての面白い記事が出ていました。
Chicago Restoration May Alter View of Caillebotte >>
日本語訳はこの記事の下にのせています。
シカゴ美術研究所が調査、修復したところ、この作品の「真の色」が現れたとのこと!
この作品は、今我々が考えているよりももっと印象派、そしてカイユボット自身にとっても重要な作品なのかもしれない。
かいつまんで言うと
・前回の修復者が空を塗りつぶしてしまったが、実際の空の色はもっと複雑な色調をしていた。
・この場面は“雨が止み、太陽が雲間から光差す一瞬”なのかもしれない。
・だとしたら一瞬を捉えるという意味で、この絵は非常に印象主義的作品だ。
・この発見はこの絵の評価、そしてカイユボット自身の評価をも変えてしまう可能性がある。
↓修復前
↓修正後
※修正後の画像がちょっと画像が暗いのは、動画からキャプチャしたためかと思います。
傘と建物の付近の方が若干色が暗くなり、トーンの違いがはっきりしたのがおわかりでしょうか?
この違いが“雨が止み、太陽が雲間から光差す一瞬”を表現しているのかも?!
おぉ。なんだか心がときめきます!!
部分ではわかりにくいですが、是非リンク先の記事に載っている比較画像を見てみてください。
黄色っぽさが抜けて、より作品の奥行感が出てきた気もします。
特に“一瞬”という点ではクロード・モネの『印象・日の出』を思い出しますね。
今まで「『パリの通り、雨』はなぜ雨を描いていないのかしら?」と思っていたのですが
これがさーっと降った雨が止んだまさにその瞬間だった、と考えるとなんだか納得がいきます。
今だったらそのくらいの雨の場合、ヨーロッパの人は傘なんか差さなさそうですけど。
カイユボットがこの作品をすごく「広がり」のあるものとして描いたと感じていたのですが、
雨が上がった瞬間だと考えると、その「広がり」ともリンクしていそう。
これは斬新な作品だわい! >>
本当はどういうつもりだったのかカイユボットにしかわからないですけどね。
ゴッホみたいに自分の作品についてカイユボットが色々と述べているような手紙でも見つからないかなぁ!
画像だと修正前なのか後なのかわかりにくいのが難・・・。
実際はもっとブルーっぽさがあるのでしょうね。
この修復作業を終えてシカゴ美術研究所は『パリの通り、雨』の展示を開始したそうです。
これは実際にこの目で見てみるしかない?!
いつかシカゴにこの作品を見に行きたいなぁ!
できれば修復前の色合いも見ておきたかった!
シカゴ美術研究所サイトの現在のTOPページもいい感じ!
こんなに大きな作品なんですねぇ。
カイユボットもこういう感じで細かい絵筆を持って作品を描いたのかもしれないですね。
修正に関する細かいところは動画とウォール・ストリート・ジャーナルの記事をご覧下さい。
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事はビフォー・アフターがスライドで確認できて面白いですよ!
ドイツはフランクフルトのシルン美術館でカイユボット展がやるみたいですよー!
シルン美術館の公式案内はこちらから
「ギュスターヴ・カイユボット 〜印象派と写真〜」
2012/10/18〜2013/1/20(現地)
例によってあんまり自信ないけど
————-
シルン美術館ではフランスの印象派画家ギュスターヴ・カイユボットの多数の作品とドローイングを展示する展覧会を開催します。カイユボットの研究はドイツではまだあまり進んでいませんが、このすぐれた芸術家はフランス、イギリス、アメリカではすでによく知られています。
カイユボットの作品は、フランスの印象派への新しく、基本的で、補完的な新しいアプローチを切り開いています。彼の非常に急進的で近代的かつ写真のような表現は、新しい「見方」の中で、写真と絵画の間の密接な関係を再構築しました。
しかしカイユボットの作品の多くは、アングルや構図のトリミングにおいてだけでなく、動きや抽象化など写真撮影ではもっと遅くにならないと現れないような写真の構図を先取っています。
展覧会は、19世紀後半から20世紀初頭から写真撮影の優れた例も展示し、カイユボットの先駆者としての役割を明確にしていきます。
————-
んー、面白そうですね!
私は「彼の風景をとらえる「眼」そのものが、レンズに近かったのかもしれない」とは思っているのですが、
じゃあ実際に作品を描く際にどのくらい撮影した写真を参考にしていたのか、ということはよくわからず、
そういう研究には非常に興味があるのです!
シルン美術館のwebマガジンにも詳細が載っています。
こちらはドイツ語しかないので挫折しましたが、
・カイユボットとムンクが時代は異なるものの同じレオン・ボナに師事していた
・ムンクがカイユボットに非常に影響を受けたこと
・レオン・ボナは早くから写真技術を作品制作に取り入れたこと
・ボナは教師としてアカデミックな表現だけでなく、革新的な表現も教えていたこと
などが書かれています。
レオン・ボナが写真技術を取り入れていたとは知りませんでした。
そうなると、カイユボットは写真家である弟マルシャルからの手ほどきだけでなく、レオン・ボナにそういった技術を学んだ可能性は大ですね。
ご興味のある方は、上記サイトへどうぞ。(そして私に内容を教えてくださいmm)
残念ながらドイツには行けないけど、ネットでカタログは買うつもり!
ヨーロッパ橋も展示されるんですね。
あとは何が出るんだろう。早く特設サイトができないかな。
皆様 Doodle ってご存じですか?
Googleが何か記念日などに掲載する特別なロゴのやつです。
そして、実は来週2/21はカイユボット没118年(中途半端だけど!)なのです!
8/19(誕生日)と2/21(没)が来る度なんだかやきもきしておりましたが
やきもきが勢い余って、Doodleを作ってみました★
「ヨーロッパ橋」をベースに
額縁をいれて画家としての作品らしさ、
鉄橋にあわせたロゴの配置によってカイユボットの特徴の一つである「遠近法」
eに人をのっけてカイユボットの構図のおもしろさ を表現してみました。
Googleの頭のGと末尾のeでカイユボットのフルネーム「Gustave Caillebotte」を挟みました。
名前を広めたいという願いです。(個人的な。)
そこに「床の鉋かけ」「パリの通り、雨」をあしらいました。
<oogl>の部分は紫青を使用してカイユボットの色彩の特徴を表しています。
作品のパスをとっていると、また新たな発見があっておもしろかったです(^o^)
あーほんとにいつかDoodleにカイユボットがあらわれる日が来るといいな!
来月6日からカナダ・ケベック州のナショナルミュージアムでカイユボット展が開催されるのですが、
そちらの方でも特設サイトが出来たみたいですよ!
http://www.mnba.qc.ca/ftp/caillebotte/
まだ中身はあまりないみたいです。
そして例によってフランス語オンリーです。
ただこのサイトの特筆すべき点はメイン画像の「GUSTAVE < ●> MARTIAL」と書いてある所の真ん中のスライダーを左右に動かすと、
カイユボット(ギュスターヴ)の描いた作品と、マルシャルの撮った写真が上手に比較できるようになっている!
というところです。
パリのジャックマールアンドレ美術館の説明には
とあったのですが、
実際のパリの展覧会の中では、具体的にこの作品とこの写真のここがこのように!!!みたいな比較はされていなかったのはちょっと残念に思っていたので、もしかしたらカナダでの展覧会は少し構成を変えてくるのかも知れませんね。
+ +
上に載せたサイトのキャプチャでは
左は男がバルコニーから身を乗り出している作品で
右はマルシャルがバルコニーから身を乗り出している写真です。
背中のところでうまく繋がっていますが、
カイユボットの作品の方のモデルはカイユボットの友人のモーリス=ブロールト。
他のものも全く同じように写真をそのまま描いたものではありませんが、
マルシャルの写真がカイユボットに影響を大いに与えたとはいえそうですね。
また逆にカイユボットの描いた作品にマルシャルが影響を受けたこともあったのかも?
今度作品の年代と、写真の年代を比較してみようっと。
カイユボット展の特設サイトから公式のアプリが出ています。
今回のカイユボット展に出ている作品と写真27点の解説を音声で聞くことが出来ます。
展覧会でよくある音声解説(500円)のAppという感じです。
アプリは英語バージョンとフランス語バージョンのみで日本語はありません。
価格は有料で230円と450円(解像度の違い)です。
気になった方はiTunesからどうぞ。
(リンク先は英語バージョンの230円です。)
ただ、こちらで音声のみのダウンロードが無料で出来るみたいなので
わざわざ購入することはないかな・・・・
Appにどの作品の解説があるか気になる方は↑で確認してください。
Appのいい点はかなり作品を拡大して見ることが出来るところです。
もちろん私は買いましたよ♪
展覧会もAppの時代なんですね!
音声に関して「イヤフォンまたはiPhoneを耳に近づけて音声を聞いてください。展覧会会場で使用する時はスピーカーはご使用なさらないでください」との注意書きがあります。
ご注意ください。
先日[パリで来年3月から夏までカイユボットと写真展をやるそうですよ!!]とお知らせしましたが
ついにそれも開催いたしましたね^o^)ノ
ジャックマールアンドレ美術館でのお知らせの他に、
この展覧会の特設サイトもオープンしているようです!
http://www.culturespaces-minisite.com/caillebotte/index.html
特設サイトの方は残念ながらフランス語オンリーみたいですが、
閉幕までに少しずつ読んでみたいと思います。
メニュー「photo」をクリックすると展覧会の様子が写真で見られます。
サイトからわかったこの展覧会に展示されている作品を集めてみました!(順不動)
40作品あります。
ジャックマールアンドレ美術館には35作品と書いてありましたが、
それよりももう少し来ているみたいですね!!
プティ=ジャンヌヴィリエの菜園
バラ園、プティ=ジャンヌヴィリエの庭
田舎の肖像
イエールの菜園
イエールの庭園
(本当にこの作品かちょっと自信なし)
ハウスペインター
雨傘を差す男と女(パリの通り、雨 (習作・部分))
バルコニー、オスマン大通り
オスマン大通り、雪
上から眺めた大通り
バルコニーの男
イタリア大通り
ペピニエ通りの兵舎
釣り
水浴者、イエールのほとり
イエール川のカヌー
アルジャントゥイユ、セーヌの航路
プティ=ジャンヌヴィリエの土手とセーヌ川
セーヌ水路の小船
アルジャントゥイユのヨット
セーヌ川に停泊中の船
ヨーロッパ橋(習作)
ヨーロッパ橋(習作・部分)
線路のある景色
室内、読む女性(室内)
ジュール=フロワィエの肖像
オスマン大通りの安全地帯
昼食
読書するウジェーヌ=ドーフレヌ
アンリ=コルディエの肖像
マルシャル=カイユボット夫人の肖像
イーゼルの前の自画像
自画像
アルジャントゥイユの工場
シルクハットのボートこぎ
白い菊、黄色の菊
ラン(カトレヤとアンスリウム)
マーガレット
ひまわり、プティ=ジャンヌヴィリエの庭
白いラン
私が一番気になるのは「昼食」です。皆様はいかがですか?
‘Caillebotte wiki’ で検索すると、
フランス語版のwikipediaよりも英語版のwikipediaの方が上位に上がってくるのです。
(フランス語圏の方々はどうか分かりませんが)
それぞれ開いてみると確かに英語版の方がフランスごと版より充実しているのです。
本家本元のフランス語版がなぜ・・・?
と思ったら、wikipediaの中にその答えの一端が。
Le talent de Caillebotte fut longtemps méconnu – sauf aux États unis -, au profit de son rôle de “mécène éclairé”. Le peintre fut redécouvert dans les années 1970, à l’initiative des collectionneurs américains.
カイユボットは長い間「見識のあるパトロン」だと思われていたので、画家として評価されていませんでした。
アメリカをのぞいて。
1970年代にイニシアチブを取ったアメリカ人コレクター達によってカイユボットは再発見されたのです。
ふーむ、自分たちアメリカ人(そのほか英語圏の方はおいておいて)が
再発見した画家だから英語版の方が充実しているのでしょうか。
アメリカ人受けする画家なのかしら?
アメリカにもたくさん作品が渡っているしね。
違う国の人達の方がその芸術性を評価するというのはある話です。
さて、その英語wikiの中に
「大英博物館にカイユボットが収集した切手が所蔵されている」との情報が!
大英博物館で切手になど注目したことはありませんでした。
ちょっとフロア番号までは分からなかったのですが
ロンドンに行く機会があったら是非チェックしてみて下さい!
ちょっと前から日本語のwikiにもカイユボットの項目が登場しましたね!
wiki:ギュスターヴ・カイユボット
なんだか(勝手に)わくわくしてきました(^m^)
【2012/09/08追記】
何年か前から拙サイトもリンク先としてご紹介をいただいております。
誠に光栄ですmm
ということで、こちら↓「カイユボット・公式サイト」です!
http://caillebotte.fr/
GoogleMapのマイマップで、カイユボットゆかりの地(パリ編)を記してみました。
こちらからどうぞ »
緑のポイントはカイユボットが実際に描いた場所を示しています。
黄色の家型はカイユボットの住んだことのある場所です。
赤のポイントは印象派展の開催地です。(多少ずれがあります)
クリックするとカイユボットが出品した作品(1点)が表示されます。
また、作品詳細の方にもGoogleMapを導入しました。
地図のある作品には一覧に「地図有り」と表示されますので
是非チェックしてみてください。
(地図のある作品一覧)
きっとカイユボットのことがずっと身近に感じられると思います♪
今後も追加予定です。
ここの場所を知りたいとか、何かご質問などあればわかる範囲で追加していきますので、お気軽にどーぞー。