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「ヨーロッパ橋」からみるファッション

「名画とファッション」という本を読んでいたら(小学館・深井晃子著)「ヨーロッパ橋」のファッションについて書かれていました。

それによると、欄干にほおづえをついている男はタブリエと呼ばれる作業着を着用。
カイユボット自身がモデルだと言われるシルクハットの男はルダンゴト(フロックコート)を、傘を差した女性はハイネックのアフタヌーンドレスと黒の手袋をしている。女性が昼間に肌を見せるのはこの時代のエチケット違反なのだそうだ。


なるほど、このタブリエは他にも「ハウスペインター」の中でも確認することが出来ます。
現在タブリエはエプロンのような前掛けの意味で使われているようなのですが、
これら作品の中のタブリエはどちらかというとスモックに近そうですね。

ヨーロッパ橋の左側の男女の服装は、この時代の一般的なファッションだったのでしょう。
パリの通り、雨」の男女も近いファッションをしています。


男性はダブルのフロックコートを着て(「パリの通り、雨」はダブルかどうかかわかりませんが)、女性はベールのついた帽子をかぶっています。
この当時女性は午後のちょっとした用事にも帽子をかぶることと決められていたようで、
その決まりに従って彼女たちはおしゃれな帽子をかぶっています。


コートというからには寒い時期なのかと思いましたが、フロックコートは結婚式で男性が着ることのある礼装と同じようなものですので、厚さ的には背広くらい。
この絵が描かれた時期は夏でもなく冬でもない時期といえそうです。
「パリの通り、雨」の方は奥に長めのコートを着ている人もおり、雨ということで「ヨーロッパ橋」の方よりも気温は低そうですね。

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